イケメン同期に素顔を見抜かれました
自分の部屋に引きこもり、悩んでいたら、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「芽衣、入るよ~」
私の返事を待たずして部屋に入ってきたお姉ちゃんは、許可もなく私のベッドに腰を下ろす。
「何か、あった?」
「っ……」
「言いたくないなら無理には聞かないけど」
お姉ちゃんは、いつも私に甘い。
そうやって、無理強いはしてこない。
もし、ここでお姉ちゃんが強引に聞き出そうとすればするほど、私が口を閉ざすことを知っているから。
だけど、こうして待っていたら、私が話すことも、知っているから。
ポツリポツリ、と言葉を紡ぐ。
会社の同期を好きになってしまったこと。
彼にはずっと付き合っている彼女がいること。
でも、彼女には浮気グセがあって、彼もそれに気付いていたこと。
彼は、彼女を別れようと思っていること。
そして、
彼に、「好きだ」と言われたのに、返事もせずに逃げてしまったこと。
お姉ちゃんは、ただ黙って私の話を聞いてくれた。
「最後に決めるのは芽衣だけど。私はどんな結果になっても気持ちを伝えたほうがいいと思うよ」
そうやって、笑ってくれた。
「私はちゃんと自分の気持ちを伝えたからこそ、今こうやって慎くんと一緒になれる未来を手にすることが出来たと思っているから」
「そうだね……」
「だから、芽衣も頑張ってみなよ」
コクン、と頷いた私に向かってお姉ちゃんは、「頑張れ」と私の手を握りしめてくれた。