イケメン同期に素顔を見抜かれました

……と、昨夜はお酒も入っていたこともあり意気込んではいたものの。

いざ、芽衣の家の前にたどり着くと、変な緊張が走りだす。

自分は慎くんに気に入ってもらえるのだろうか。

芽衣に迷惑をかけることはないだろうか。




グルグルとマイナスなことばかりが頭に浮かび、インターホンを押そうとする指が震えてくる。

ふーっ。

一旦大きく深呼吸をし、意を決してインターホンを鳴らした。




「有村、いらっしゃい。明けましておめでとう」

「明けましておめでとう。今年もよろしくな」

櫂の言葉に、芽衣が小さく微笑む。

「有村くん、来たの~? いらっしゃーい」

にこやかに出てきた雛子のお腹は、だいぶ目立ってきていた。

「お邪魔します。予定日は2月頃って芽衣から聞いてますけど」

「うん。2月の初め頃かなあ。慎くーん。有村くん、来たよ~」

そう言いながら、雛子がリビングのドアを大きく開けると、中にいた3人が一気に振り返った。




ふたりは芽衣の両親。

そしてもうひとりは、会うのは初めてなのに、見たことのある人物。

「君が有村くん?」

「あ、はい。有村櫂です……」

「初めまして、雛子の夫の慎吾です」

櫂に爽やかに笑顔を向けるその男。

「め、芽衣……」

「ん、何?」

「慎くんって、もしかして……」

「あれ? 言ってなかった? 慎くん、俳優さんなの」

「えっと、宮脇慎吾さん?」

「はい、宮脇慎吾です」

よろしくね、と慎吾は笑顔を崩さない。

対して、櫂は口をパクパクと開け、驚きの表情のまま。




まさか、自分の彼女の身内に、有名人がいたとは……!

しかも、それがあの、宮脇慎吾って!!




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