初恋の君は俺を忘れてしまいました。
体育館裏。


なかなか話がはじまらず、沈黙が続く。


先に口を開いたのは私。


「・・・あの、なんですか?」


「あの・・・俺、松永さんが好きです。」


「あ・・・えっと・・・」


「付き合ってくれない?」


「あ・・・あの、


「俺じゃだめかな?俺なら君のこと世界一大事にするよ。」


「え?あの・・・


「ずっと君と話したかった。廊下ですれ違ったときも俺はずっと見てたのに、君は全然気づい
てくれなかった。なぜなんだ・・・」


「あの・・・


「早く気付いてほしかった。早く君を俺のものに・・


男の子はぶつぶつ言いながら私に近づいてくる。


私は後ずさり、三歩ほどで体育館の壁についてしまった。


「俺のものに・・・


「いや!助けて・・・」


(昂!)


私はぎゅっと目をつぶった。
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