初恋の君は俺を忘れてしまいました。
それから二年になっても三年になっても昂は話しかけてくれた。


私もだんだん話しかけられるようになって、こうやって朝会えば一緒に登校できる、というところまで仲良くなれた。


「・・・昂。髪の毛はねてるよ?」


「うわ、まじ?どこ?」


「え、あ、ここ」


私は昂のはねている髪を少しだけ触る。


こんなことでもドキドキしてしまって恥ずかしい。


「あーありがと」


昂は歩きながら寝癖を直そうとする。


そんな昂の隣を歩く。


こんな幸せがずっと続けばいいのに・・・。


今年、私たちは受験がある。


もしかしたら、もう一年後にはこんな時間はないのかもしれない。

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