イジワル上司に恋をして(ミルククラウン)【番外編】
――え。
なんだよ、なんでそんな……。
「も、もう一回いってきますっ……」
パタパタと席を立っていった姿を見て、オレは肘をついた手で口を覆う。
……あのピンク色に染まった頬。動揺で潤んだ瞳。上ずった声。
その理由の正体にようやく気付いて項垂れる。
あの、バカ。こういうとこで、わかりやすいカオしてんじゃねぇっつーの。
こっちまで伝染しちまうだろーが。
別に下心があって「オレの家に」つったわけじゃねぇよ!
ちらりとなの花を目で追うと、まだ上気してる頬のまま、一生懸命にデザートを選んでる。
……ヤバイ。いつの間にこんなにハマってんだ? オレ……。
今まで自分が絶対的権利を持つほどに、冷静な頭で相手を翻弄してきたはずなのに。
予測不能なアイツに、オレの理性が追いつかないのかも……。
「ああ。食べられるなら全種類食べたいっ」
皿を持ってきたなの花が溜め息混じりに言うと、ストンと腰を下ろす。
「……ねぇ。もうコーヒーもなにも、いらないの?」
「いい加減、名前で呼んでくんない?オレの戸籍、『ねぇ』って言わねーんだけど」
「…………ゆ」
なんだよ、なんでそんな……。
「も、もう一回いってきますっ……」
パタパタと席を立っていった姿を見て、オレは肘をついた手で口を覆う。
……あのピンク色に染まった頬。動揺で潤んだ瞳。上ずった声。
その理由の正体にようやく気付いて項垂れる。
あの、バカ。こういうとこで、わかりやすいカオしてんじゃねぇっつーの。
こっちまで伝染しちまうだろーが。
別に下心があって「オレの家に」つったわけじゃねぇよ!
ちらりとなの花を目で追うと、まだ上気してる頬のまま、一生懸命にデザートを選んでる。
……ヤバイ。いつの間にこんなにハマってんだ? オレ……。
今まで自分が絶対的権利を持つほどに、冷静な頭で相手を翻弄してきたはずなのに。
予測不能なアイツに、オレの理性が追いつかないのかも……。
「ああ。食べられるなら全種類食べたいっ」
皿を持ってきたなの花が溜め息混じりに言うと、ストンと腰を下ろす。
「……ねぇ。もうコーヒーもなにも、いらないの?」
「いい加減、名前で呼んでくんない?オレの戸籍、『ねぇ』って言わねーんだけど」
「…………ゆ」