それでも愛してる。





「最近よく話しかけてくれるよね
前の愛菜に戻ったね」


夕暮れの家路を少し距離をとって
歩いている。


「…。別に私がそうしたいって
思っただけだもんね!!」


「あっ。まーたそうやって可愛げないな」


冗談めかしく太陽はそう言った。


「はい、うるさい!!
あなたの時間は終わりよ。
太陽は沈み夜が来るの。
あなたは明日までおやすみしなさい?」


このやり取りもいつぶりだろうか。


「懐かしいな、それ」


笑った太陽を見て私も笑う。


こんな日々が長く長く
ずーっと続くものだと思っていた。


だからね
全然気づかなかったんだよ…。


すぐそばにいたはずの私が
1番気づけたはずの私が


大切にしていたはずの人の苦しみを。


何も気づけなかった無力な私を
どうか許してくださいー…。




< 29 / 115 >

この作品をシェア

pagetop