それでも愛してる。




「面白い?そんなことは
ないと思うんだけどなー…。」


大きな道に出ると
同じ制服をきた生徒が
たくさん歩いている。


「あ、愛菜だ。」


私に気づいた川田が自転車にのり
近づいてきた。


「おはよう愛菜。」


「おはよう。」


それ以上の会話は今までしたことが無い。


「じゃあ。」


いつも私がそこで終わらすからだ。


「お、おう。」


そしてまた私達は別々に学校へ向う。


と。


「何なに?愛菜~!!ひょっとして
遊助くんと出来てるの~?」


華が私の腕を掴み顔を近づける。


「な、何を言う。
川田とは何にもない。」


「愛菜って好きな人いないの?」


恵まで私の腕を掴む。


「好きー…。」


「いないの?」


そう声を合わせて聞く2人。


「好きとは良く分からない。
華と恵は好きだよ。
でもさ、きっとその好きとは
違う好きなんだよね?

それがどんなものかわからない…。」


「愛菜って今まで好きになった人いないんだ。
ちょっと意外だったな。」


そう言った華。


「華はいるの?好きな人。」


顔を赤らめた。
でもすぐにへらり笑っているよ。
って答えた。


「どうして好きなの?」


「うー…ん。どうしてって
聞かれると何でだろって思うかも。
でもさ、理屈じゃ説明できないのが
好きって事なんだと思うよ?

その人がすっごいピンチで
誰も助けられないってなった時でも
絶対助けるぞ!!って
頑張れちゃう事が好きってものだと
思うよ?私だけかもだけど。」


「お、何かプロっぽい!!」


そう笑い合う華と恵。

それが好きって事なのか。

やっぱりまだ私にはわからないかな。




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