代行物語

林は川口を確認すると右手のスナップを効かして敬礼をした、実に絵に描いたような流れだあんなに酔っているから今日は自宅直行かな？と佳夫は型を括っていたが川口がパピヨンと口にした時は、思わず耳を疑った。
呆気に取られる佳夫を尻目に川口と林は車に乗り込んだ、慌てて佳夫は駐車場からの誘導を終え、随伴車に戻って行き先をセンターに告げ二人の乗った車の後を追従した林の目的地パピヨンに無事？送り届け戻ってきた川ちゃんに、あんなに酔っていて大丈夫なんですかねと問いかけると、川ちゃんはいつものことだと平然と言ってのけて、センターに林の予約を告げた、やはり二時間後の予約であった。
佳夫は、あの状態が普通であること又、あの状態で二時間後の予約をしっかり入れる林を改めて凄い兵だと驚きとも感心とも付かない思いで聞き入っていた。
無線から「１号車、ラウンジ　ボス、お店から」
と次なる指示が流れていた。