代行物語

不思議少女登場!?

「ラウンジ ボス」までは僅か数分の移動時間で到着となった。
川ちゃんは相変わらず軽快な足取りで、店内へと続く階段を上り到着したことを
店側に告げた。
「ボス」は、テナントビルの2階にあり、大きな吹き抜けのホールを囲むように
各店舗が軒を連ねて入っている。
ホールの中央には訳の判らないオブジェが配置され、一見高級感は醸し出すものの
妙に浮いて見えてしまうのは、周りを囲む田園風景のせいなのかもしれない。
別世界への入り口といえば確かに亜空間な感じはするけど・・・・・
ホールにはお店の女の子達が、お客様を見送りに出たり入ったり、ハシゴする客を促したりと、妙な活気を帯びていた。
不思議と女の子達が綺麗に見えてしまうのは、この空間と照明のせいなのかな?などと変なところで関心するのであった。
川口は「ボス」の階段の正面に立ち、客待ちの体制に入っていた。
程なくして「ボス」の扉が開き、純白のロングドレスに身を包んだ女性が、階段をゆっくりゆっくり下りてくるのが佳夫の目に飛び込んできた。
お店の女の子か?佳夫の位置からだとかなり綺麗な女性のように見える。
純白のドレスが照明に良く映えて、実に上品で優雅な立ち振る舞い、片手でドレスの裾を僅かに上げ、階段を下りてくる様はまるでおとぎの国のシンデレラのようである。
しばし見とれていた次の瞬間!!彼女のヒールがコクリと横向きに「あっ、危ない!!」
あと残り3段というところで見事な転倒、派手にシリモチを着いたかと思うと、一気に階段を転げ落ちた。


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