ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
自分のデスクに戻って鞄を置いて、椅子に腰かけようとしたところで、向こうに座っている編集長と目が合った。



私が手に持っているコーヒーカップを見て、「いいもん飲んでるな」と笑う。




「俺にも淹れてきてくれよ」



「は? なんでですか。女だから、とか言ったら怒りますよ」



「ちげーよ、年下で部下だからだよ。いま手が離せないんだ、よろしく頼むよ」




私は「仕方がないですね」と答えて、カップホルダーを返しに行くついでに給湯室に戻った。




そこで、少し嫌な予感がする。



吉岡たちがまだ室に戻ってきていなかった。


ということは、まだ中にいるのだ。




ドアの前で逡巡した一瞬。



中から、先ほどよりは控えめな、でも熱を帯びた話し声が聞こえてきた。




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