花の下に死す
 「堀河」


 物思いに耽っていると、再び体を引き寄せられた。


 「お前だけが頼りだ。少しでも私の気持ちを分かってくれるのなら……、是が非でも待賢門院さまに」


 「義清どの」


 「この切ない想いをお伝えしてほしい。そしてできるのならば私が、待賢門院さまをお救い申し上げたい……」


 「……」


 「こんなこと頼めるの、お前しかいない」


 ……待賢門院藤原璋子の名を口にしながら、自分を抱く。


 その矛盾にむなしさを感じながらも、堀河は義清から離れられずにいた。
< 45 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop