セルフィシュラブ
「あ、大姶良」
英語教員の高さんが廊下で私を呼び止めたのは既に放課後の時間帯だった。
図書室でも行こうとしていた足を止め、振り返る。学級日誌を持った高さんは私の隣のクラスの担任をしている。
「何ですか、高さん」
「お前間宮と仲が良いだろ。いつも一緒にいるだろ」
「え、まあ、…それが何ですか?」
「あいつ英語の小テストの追試全く受けに来ないんだよ。大姶良から一言言っといてくれないか」
「わ、私がですか…?」
「ああ、頼んだぞ」
ポンと肩に手を置かれる。
間宮というのは私の友人の名前であるが、勉強大嫌いな子であって。彼女に勉強を催促するのはこっちも精神を削るのだ。
先生もきっと今までそんな思いをしてきたから私にその役を押し付けるんだろう。
「、」
廊下に残され、高さんから顔を背けてトボトボと歩みを進める。
面倒な仕事押し付けられちゃったな…。間宮と今日バイトのシフト被ってた気がするからその時にでも言おう。
と。傍らにある空き教室からボソボソと声がした。