セルフィシュラブ
「…、」
足が止まる。確かに聞こえてくる話し声にふつふつと湧き上がるのは好奇心。
持っていた鞄を肩に掛け直し、ほんの少し開いたドアから中を盗み見。
放課後の教室で。話し声なんて。告白としか思えないのはドラマや漫画の見すぎかもしれない。
「っ、」
見て1秒で後悔だった。
「遊びでもいいんです。…あたしじゃダメですか?」
「んー…、」
「彼女がいるって分かってるんですけど。…それでもあたしっ先生のことが忘れられなくて…っ、」
「気持ちは嬉しいけど俺そんなに女が欲しいわけじゃねぇの。面倒じゃん。トラブったらさ。だから君とは付き合えない。ごめんね」
「そ、そんな…、」
確かに告白現場だった。予想は当たっていた。
が。まさか告白されているのがこの人だったとは。
「それに君と俺は生徒と先生ってカンケーでしょ。コソコソ付き合いたいの君は?俺はやだよ。好きなら堂々と付き合いたいし。
俺が本気が好きだって言うんなら卒業した後にでも来て。そしたら俺だって気持ち変わるかもしれないから」
「…っ、…月岡、先生…」
月岡先生(23)がいる。日本史の先生月岡祥平がいる。
生徒に告られている。