セルフィシュラブ




ニタニタと笑う山根君とは対照的に私はゾワリと背筋が凍った。


苦手なイケメンである上にそんなふしだらなことまでしているなんて。…もう気持ち悪い。しかもそれをうまく隠さないことも教師としてどうかしていると思う。



信じられない男だ。



誰にも言わない。…言わないけどますます嫌になった。イケメンというよりも、月岡先生自体が嫌になった。


これから授業を受けるたびに私は月岡先生を蔑んだ目で見てしまうだろう。でもそれは月岡先生が悪いと思う。


教師のくせにその自覚を持たない月岡先生に罪がある。


悪いことを知ってしまったのにどこか楽しげな顔をしている山根君はそのうちポロ、と言ってしまいそうな気がした。


月岡先生の鎖骨にキスマークがあった、と。



―――――――――――――……

――――――…

< 11 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop