約束ラバーズ
葛藤
ーーーーあはははは!
ーーそうなのよ!わかるー?
遠くから聞こえる騒がしい声で目が覚めた。
母親の嬉しそうな声が飛び交うのが聞こえる。
恐らく定期開催させる、母親と親友達の集まりであろう。
お茶菓子に、コーヒーや紅茶を片手に韓国ドラマを鑑賞するのだ。
ただ、大人しくなんか見ていない。
あの人はこうだ、この人が素敵だわ、
と語らいながら鑑賞するのだ。
木製のフランスベッドから音もなく出て、窓辺へ向かう。
グレイの遮光カーテンを開けると、快晴。
小春日和というやつだ。
今日は学校は休み。
横目で壁に丁寧にかけられた紺色のブレザーを眺めながら、思い浮かぶのは。
亜希の笑顔。