約束ラバーズ
僕は、亜希に歩み寄る。
「あき、帰ろう。」
亜希の手を取り、土砂降りの中へ飛び出した。
家の前まで来ると、
亜希が躊躇するように立ち止まる。
下を向き、ぐっと唇を噛んでいる。
僕は亜希の手を離さずに振り返った。
「あき、よく聞いて!
僕は絶対にあきのそばにいる!
約束する!
何があってもそばにいるから!」
雨の音にかき消されないよう、
大きな声で叫ぶ。
亜希は、僕をまっすぐ見つめて
小さく頷いたあと、
決心したように玄関の柵を手で押した。