天翔ける君



「なぜかと聞いている」

恵都は答えず、無言のままでセーラー服を脱いだ。
キャミソールにスカートという間抜けな姿だが、それに対して羞恥心を感じる余裕はなかった。

「早く、食べて」

恵都は千鬼ににじり寄り、長い髪をかき上げ、首筋がよく見えるように首を傾ける。
普段の恵都なら赤面ものだが、それよりも感情は死に急いでいた。


途端に視界が急転した。

両手は顔の横で押さえつけられて、視界には鬼の姿へと変貌した千鬼が映る。
組み敷かれたのだと理解するのにわずかな時間が必要だった。

深紅に灯る瞳は獰猛で、恵都は吸い込まれたかのように目がそらせなかった。

このひどく美しい鬼に食われるのだ。
どうせならそんな死に方もありだと思った。

「なぜ死にたいのかと聞いている。いつものように答えろ」

千鬼の熱い指が顔に触れた。


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