プラネタリウム
一章
薄暗い外灯と月明かりに照らされて
何時も通り過ぎるはずの公園が
今日は何故か、目に止まった。
いや 公園ではなく、公園にあるベンチに、だ。
見た事のない詰め襟制服を着た、少年。
片手に持ったスケッチブックと首から下げた青いヘッドホンが印象的だった。
俺と同じ高校生だろうか。それとも中学生か。どちらにしても、少年一人で出歩くような時間では無かった。
俺は生憎、家族と喧嘩をして家を飛び出してきたばかりで、所持している物なんてカメラと携帯、紙切れの入っていない財布くらいだ。時間つぶしと好奇心で、俺は少年に声をかけた。
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