貴女は信じますか?
「じゃ、じゃあ、その赤ん坊が人形に乗り移って泣いたり和美に対して襲ったりしたのはどういう事なんだろ」
「今のお話を聞いて私の考えてる事が当たっているかどうかは判りませんが」
その時住職が徐に口を開いた。
「多分この赤ん坊は自分の存在を自分の父親である貴方に知られてなかった事が悲しかったんではないでしょうか、だから泣いたのだと思いますよ、お母さんの大事にしていた人形の姿を借りて」
「無事に生まれていたら一歳ちょっとか」
それを聞いた健吾は何も言えなくなってしまった。もしそれが本当ならその子に対し今迄何と可哀想な事をしてしまったのかと思った。
夏美の三回忌の法要の時に肩の辺りが重かったのもきっとその子供が居たからだと思えた、自分に甘えたかったのだと。
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