貴女は信じますか?
「そうだったんだ、ごめんね」
それを聞いたしおりが優しく人形に話し掛けた。
「それならその健吾と夏美の子供は健吾の新しい彼女、和美さんって言ったっけ?その人との交際に反対なんですか?住職」
「そ、そんな。夏美の子供がそんな事をする訳が無いわ。きっとその人が憎いとかじゃくて、夏美が哀しむと思って、それで叩いただけなんだわ。お母さんを苛めるなって気持ちだったんだと思う、ね、そうだよね」
しおりは人形の頭を優しく撫でながらそう言った。その声は涙声であった。
「住職、私は一体どうしたら良いのですか?」
「そうですな、先ずはその子供さんにきちんと名前を付けてあげて下さい、そして母親と同じお墓に戒名を入れてあげたらきっと成仏し、母親の元へ行けると思います」
「判りました、そうします」
そして三人は帰り際もう一度夏美の墓にお参りをするとお寺を後にした。人形はせめて母親である夏美の傍に置いてあげた方が良いと住職に預けて帰った。
そしてその二週間後、健吾は一人でそのお寺を尋ねた。勿論二人の間に生まれていたかもしれない子供の名前を考えて。
実際男の子か女の子か判らなかったのでどちらでも通用する名前として「真琴」と付けた。
そして住職に戒名を頂き、お経をあげ人形はそのままそこで供養して貰う事にした。