2人だけの秘密。
「…?」
会える…?
そんなこと、初めて言われた。
もしかして、現実で会える日が来るってこと?
……いや、まさか。
君には夢でしか会えないのに。
あたしはそう思うと、また寝ようと目を瞑る。
今まで、ネットとかの「夢占い」でこの夢のことを何度か調べたことはあった。
どうやら夢に知らない男の人が出てくるということは、その人はあたしの本当の理想像らしい。
…だけど、そう言われても何だか少し違うような気がする。
君は、本当にあたしのタイプの人なんだろうか…。
でも、何度見ても不思議な夢だよな…。
******
翌朝。
今日の仕事も、遅番で出勤した。
店に到着するなり制服に着替えて更衣室を出ると、あたしはふいに名前を呼ばれた。
「五十嵐さん」
「!」