2人だけの秘密。


******



翌朝。


今日も仕事で、遅番で出勤する日。

昨日、あれから独りで悩んだ結果…



「…や、柳瀬店長」

「?」



あたしは早めに出勤して、勇気を出して修史さんに昨日のことを言う事にした。

あたしが事務室に入ると、修史さんが目をぱちくりとさせて言う。



「…あれ?早いね。今日遅番じゃなかった?」



そう言って、またパソコンと向き合う。

…その姿も、やっぱり忙しそう。



でも…



「お仕事中すみません。少しお話があるんです」

「?」



あたしがそう言うと、修史さんはまたパソコンから目を逸らして、あたしに「どした?」と目を遣った。


…き、緊張する。

けど、言わなきゃ。


あたしは自分にそう言い聞かせると、修史さんに言う。



「実は、昨日出勤したら…」

「…」

「あたしの制服が、ロッカーからなくなってて…。

で、絵里奈と探しに行ったら、ゴミ袋に捨てられてあったんです」


「…は、」

「これ…なんですけど」



あたしはそこまで言うと、昨日ゴミ袋から出した無残な制服を修史さんの前に出した。



「…!!」


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