2人だけの秘密。


低い声でそう言って、事務室を後にした。

完全に怒っているその声に、思わず肩がビク、と震えてしまったけれど、きっと修史さんはあたしを助けようとしてくれてる。


……また、すぐにここに戻って来るのかな。


そう思って時計を見てみると、時間はまだ開店前の9時半。

朝礼が始まるまでまだ時間があるし、もしかしたら修史さんは……


そう思ったらいてもたってもいられなくなって、あたしはいけないと思いながらも事務室を出た。


そして、向かった先はもちろんみんながいるだろう売り場。

でもさすがに中に入る勇気はなくて、あたしは売り場の入り口で聞き耳を立てた。


すると……




「誰がやったんだよ」




売り場から、修史さんの低い声が聞こえてきた。


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