2人だけの秘密。
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そして仕事場に到着すると、今日も忙しい一日が始まった。
今日は社長が視察をしに来る日だから、売り場内にも緊張が漂う。
いつも綺麗にしているけれど、今日は特に売り場を綺麗にして完璧な状態にした。
…でも、こんな時でも鏡子のことを考えてしまう。
“…っ…修史さん!”
さっき俺を玄関で引き留めた時の鏡子が、頭から離れない。
…大丈夫、だよな?
どうか俺の考えすぎであってほしい。
そう思っていると…
「柳瀬店長、」
ふいに夏木ちゃんが、仕事のことで話しかけてきた。
…ダメだ。
今は仕事に集中しないと。
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その後は何時間か経ったあと、売り場に社長が視察に来て、特に何事もなく一日が終わった。
途中、何度かハラハラしたことはあったけど、なんとか無事に帰ってもらうことが出来た。
「き、緊張しましたねー」
閉店後、絵里奈ちゃんがレジに座り込んでそう言うと、夏木ちゃんが笑って言う。
「絵里奈ちゃんずーっと顔引きつってたよ」
二人はそう言うと、お互いに仲良く笑い合った。
でも今は、その会話すらもあんまり耳に入ってこない。
…───早く鏡子に逢いたい。