2人だけの秘密。



夢の中の“君”は、短くて黒い髪に身長170㎝くらいの背丈。

細身で優しそうな顔をしていて、見た目のイメージとしては誠実そうな感じ。


そして目の前の柳瀬店長は、もう説明する必要もないくらいに“君”そのまんまで…。

でも夢の中とは違って、柳瀬店長は黒縁メガネをかけている。


…目が悪いのかな…。


あたしがそう思って思わず柳瀬店長を見つめていたら、やがて鈴木店長が言った。



「こら、五十嵐さん!」

「!」

「ぼーっとしてないで、挨拶くらいちゃんとしなさい、」



その鈴木店長の声にあたしはようやく我に返ると、柳瀬店長に挨拶をした。



「…あ、五十嵐鏡子です。よろしくお願いします」



あたしがそう言うと、柳瀬店長は優しくふんわり微笑んだ。



「こちらこそ、よろしく」

「!」



…わ、その笑顔すらもそっくりだ。


どういうこと?

なんで?

柳瀬店長は、もしかして本当に夢の中の“君”なの?



だって夕べ、“やっと、会えるんだね”って言ってたし。



え、何この展開!コワイ!!



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