2人だけの秘密。
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翌日。
俺は仕事の帰りに、たまたま一緒になった絵里奈ちゃんに聞いてみた。
「絵里奈ちゃん」
「はい?」
絵里奈ちゃんなら鏡子と仲が良かったから、何か知ってるかもしれない。
そう思って…
「鏡子が昨日突然いなくなったんだけど」
「!」
「どこに引っ越したか、絵里奈ちゃん知らない?」
そう問いかけると、絵里奈ちゃんはびっくりしたように目を見開いて言った。
「え、鏡子引っ越したんですか!?」
「!」
あまりにも驚いたように言うから、俺は思わずまた沈んでしまう。
鏡子…絵里奈ちゃんにも言ってなかったのか。
「…あ、絵里奈ちゃん知らないんだ?」
そして沈んだままそう聞いたら、絵里奈ちゃんは「何も聞いてないです」と首を横に振った。
…絵里奈ちゃんもダメ、か。
今日は実は店の事務室に入るなり鏡子の実家の住所とかどこかに載ってないか調べてみたけど、結局どこにも見当たらないまま今日が終わってしまった。
…たぶん実家に帰ったんだと思うし、場所さえわかれば連れ戻しに行きたいのに。
思えば俺は、鏡子の彼氏だったくせに実家がどこなのかすら知らない。