2人だけの秘密。
この声は…
そう思いながら振り向くと、そこには…小さな女の子と公園で遊ぶ、鏡子がいた。
鏡子の問いかけに、小さな女の子が答える。
「たんぽぽ!」
その声に、鏡子が「そうだね」って優しくニッコリ笑う。
…鏡子…間違いない、鏡子だ。
鏡子がそこにいる、
そんな二人を見つめながらその場に立ち尽くしていると、その瞬間…
ふいに鏡子と、目が合った。
そして俺と目が合った瞬間、鏡子は驚いたように目を見開いて、言った。
「…修史さん…」
そう呟いて、ゆっくりとその場から立ち上がる。
俺はしばらく立ち尽くしているだけだったけど、久しぶりに鏡子に会えたことが嬉しくて、そのまま鏡子に近づいた。
「鏡子っ…」
そう言って、思わず抱きしめようとしたけれど…
「!」
鏡子はそんな俺の肩を慌てて押し返して、言った。
「どうして…どうして今更ここに来たの?」
「え、」
「ごめんなさい。あたしもう…
別の人と結婚してるの」