2人だけの秘密。



その後、かかってきている電話に出る余裕すらないまま、駆け足で自分の部屋に向かう。

そして急いで鍵を開けてドアを開けると…



「…!」



何故か、リビングの電気が点いていた。


…もしかして…!


そう思うと、あたしは震えたままの足で靴を脱ぎ、リビングに続くそのドアを開ける。


すると…



「!!…広喜くん、」



そこには、なんと広喜くんがいた。

広喜くんはテレビを見ていたらしく、あたしに気がつくと「おぉ、おかえり」と笑顔を浮かべる。

今日は残業だから会えないって言ったのに、広喜くんは合鍵を使ってここで待っててくれてたんだ…。


もう、何それ!嬉しすぎる!



「広喜くん、逢いたかったよ~」



あたしはそう言うと、思わず広喜くんに抱きついた。


…早く忘れてしまいたい。さっきの柳瀬店長のことなんか…。



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