2人だけの秘密。
広喜くんはそう言うと、柳瀬店長や仲間がいる玄関に近づく。
そして柳瀬店長が立っている後ろのドアに手を伸ばすと、それをバタン、と閉めた。
「…?」
そんな広喜くんの行動に、柳瀬店長が首を傾げる。
嫌な予感を覚えていたら、広喜くんが言葉を続けて言った。
「コイツにまで手出すのは面白くないだろ。せっかくだから、皆で楽しもうじゃん」
広喜くんはそう言うと、ニヤリと妖しい笑みを浮かべる。
その言葉を聞いて、意味を理解出来ないわけがない。
まさかの広喜くんの言葉にあたしが顔を青ざめていたら、広喜くんはびっくりした表情を浮かべている柳瀬店長に言った。
「…お前、別に鏡子と付き合ってるわけじゃねぇんだろ?」
「!」
「でも助けに来たってことは、鏡子のことが好きだからか?じゃあ混ざれよ。許してやる」
「は…?」
「鏡子は俺のことが好きだから、どーせ何でも許してくれるよ」
「!」
広喜くんがそう言うと、ふいにあたしは柳瀬店長と目が合った。