もう、好きだった
笑顔が見たくて
「えっ!!」



学習会から約1週間


中間テストは終わり回答を返していた理科の時間



名簿順最後のほうの私はワクワクしながら回答を待ち

ようやくもらって開いたとたんそんな声をあげてしまった



“93”


たしかに点数は93だった



理科で93点…いや90点台もとったことないのに



うきうきしながら席に戻ると




「なんだよニヤニヤしやがってキモいぞ」


そんなことを言って憐みの目で見てくる隣の席の高杉龍哉(タカスギリュウヤ)


いわゆる幼馴染・腐れ縁


保育園から一緒だ



そしてなぜか龍哉も塾に4月から入れられていた



私よりできるのに



もともと親同士が仲がいいせいで2人で入ることになった




「龍哉!見る?村井頼子始まって以来の高得点理科テスト」


自慢げに言うと


「いいぜ、見せてみろよ」


余裕たっぷりな態度に少しムカつきながらも奇跡の93点テストを龍哉にみせると…



「へぇ93ねぇ…」





なにそのムカつく態度


「あんた何点だったのよ」


龍哉のテストを勢い良い良く取ると3ケタの数字…


「ひゃ100!!!」



…驚いたまま固まってると



「まっそーゆーこと」


また余裕たっぷりに言われ私の手から龍哉のテストが取られた



「あんた塾何て行かなくていいんじゃないの」


私の時かけを無視するかの様に無視して伏せてしまった




「まぁいいか…」




その日は龍哉にまけたことが悔しいながらもいい点数に有頂天だった
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