【完】狂犬チワワ的彼氏
一瞬、拓海くんから言われたこともあって出るかどうするか迷ったけれど、
あたしは意を決すとその電話に出た。
龍也くんに、話したいことがあったから。
「…も、もしもし」
その電話に出て、思わずあたしが声を裏返しながらそう言うと、その向こうから拓海くんにも似た龍也くんの声がした。
『もしもし…今、平気?』
「う、うん!平気、」
…少し気まずい気がするのは、どうしてだろうか。
っていうか、それはあたしだけかもしれない。
だって拓海くんが、「龍也くんはあたしに惚れてる」ことを言いだしたから。
そしてその電話に、あたしが「どうしたの?」って聞けば、龍也くんが言った。
『そろそろ聞きたいなーと思って』
「え、」
『妃由が、拓海を好きな理由』
「!!」
『あれから、なんだかんだでもう一週間経つから』
龍也くんはそう言うと、早速あたしに「聞かせて」と言葉を続ける。
う、嘘!もうあれから一週間なの!?
あたしはビックリしてカレンダーに目を遣ると、独り目を丸くする。
それは、あまりにも突然で。
毎日が休みばかりだから、日にちとががわからなくなってるんだ…。
あたしはやがて小さくため息を吐くと、龍也くんに言った。
「…わかんない」
「は、」
「考えてみたけど、ダメだった。顔以外にわかんなかったよ、拓海くんのことを好きな理由が」