domino
 「ごちそうさま。送ってくれるでしょ?」
 そう言って、先に助手席に滑り込んだ。
 「今日は実家に帰って来ないか?」
 怖面の顔からは想像もつかないくらい、情けない顔と声で彼女に話しかけた。
 「だめ。今のお家楽しいんだもん。」
 父親の切なる願いは、無邪気な笑顔に打ち崩された。
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