満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「結衣ちゃん……医学部に入って6年よ、現場での経験が大事だから…研修で2年ってところかな……」
『8年……』
「厳しい言い方だけど…医師免許を取れば医者にはなれるけど、知識と経験がないと使い物にならないわ……」
『……私……』
「よく考えなさい、ご両親とも相談して…ね」
「桜田さん…結衣ちゃんをお願い、それとご両親にも説明してあげて」
「私は父に話しとくわ……」
「承知いたしました……結衣様」
私は康太にキスをして病室を後にした。
私の考えは甘いのかな…
無謀なんだろうか……
「結衣様、お車へ」
私は桜田さんに言われるがままに車に乗る
私には何も出来ないんだろうか……
「……結衣様」
『……え……あ、はい』
「結衣様の気持ち……本気ですか?」
『桜田さん…私、康太と生きていきたいんです……私の考えは間違っていたんでしょうか…』
「結衣様のお気持ち…若は喜ばれると思います……私は結衣様なら出来ると思っております」
『桜田さん…』
「これからの生活の事はお気になさらず、勉学に励んでください」
『桜田さん……ありがとう』
桜田さんに折れかかった気持ちを補強してもらえた。