満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜

「私としては、大歓迎なんだよ……けどね、康太くんに会ってからの話になるよ…」


康太に会う……
康太は意識をもどしたんだろうか……
私はそれすら知らない。


『先生……康太は…』

「僕からはここまで、あとは自分の目で確かめること……小百合ちゃんのとこに行っておいで……連絡しておくから」


小百合さんのところ……
って言うことは、康太はまだ……


康太と離れて9年が経とうとしている。
私は27歳……私が康太と出会った時の康太の年齢だった。
康太は……36歳か……
もういいおじさんだ。

そう思うと笑えてくる。


私は歩いて小百合の自宅へ向かった
小百合さんとも会ってないから
少し緊張する。

私は途中で菓子折りを買った。


ここを曲がれば……
思い出す……
康太に会って、
ここに連れてきてもらって……


病院は休診になっていたため
裏手に回り、玄関のインターホンを押した。

「はーい」


『お久しぶりです、結衣です』


私の言葉にドタバタっ音がして
玄関のドアが勢いよく開いた。
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