別に好きになってねぇから。


まさかとは思い腕時計と教室の壁に掛かってる時計を見比べる。


腕時計は8時20分。


教室のは10時20分。




果然、私の時計の針がズレていた。




「…………すみませんでしたっ!」


2時間も時計の針が遅れてなんてそんなの知らなかったもん!



「ってことで女子の学級委員は夕槻な。綾崎と夕槻頑張れよ」



……………ひょえっ?



先生なにをおっしゃっているんですか…?




学級委員…?




「じゃ今日の放課後。学級委員は学級委員の集まりがあるから行くよーに!じゃ以上。じゃあ今から身体測定だからさっさと更衣室で男女とも着替えて視聴覚室へ集合」




………班長ですらやったことがない私が学級委員~!?



しかも綾崎くんとっ!?



それならよかった~!!




私決めたんです、綾崎くんのことまだやっぱ好きでいるって!



だけどたまに怖いんで苦手です。



だけど本当は優しい人って信じてるから!



きっと親切な天使な綾崎くんと学級委員なんて私はやっぱ世界一幸せ者だわ、うんうん。


間違いない。



「綾崎くんっ!学級委員よろしくね」


「お前って走るの好きだよね。さっきも走ってたし昨日もすげー走ってたし」


「…へっ!?なんのこと?」


「陸上部に入れば。まあ足遅いから大会では補欠ですら出さしてくれないと思うけど」



足遅い!?


綾崎くん私の話聞いてた!?



私、学級委員の話を…してたのにっ


貶された!?




「…じゃ放課後その足で遅れないように集まり行けよ」



貶された、けど今の発言は学級委員よろしくね!って言うことだから!



私綾崎くんはやっぱり悪い人じゃないと思う!


ヤクザの親戚がいようがいなかろうが。



綾崎くん本人は間違いなくきっといい人だと…願ってます。


「綾崎くん待って!」



「…お前女子じゃないの?」



綾崎くんっ


私を女として意識してるんですかっ!?


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