別に好きになってねぇから。

「…そういうのは可愛いやつがすることだよ?」



手を離されたと思ったら私の堅苦しい頬を掴む綾崎くん。


わ、わっつでぃす!



ナニゴトデスカ!


そういうことってなに?


「…もう拭ったからいいけどさ」



理解不可能。



ガチでさっぱりピーマンなんですけど。


「俺お前といて普通に楽しいから!そんな辛い顔すんなよ」



辛い顔……?



私まさか…泣いてたんだ。



綾崎くんと話してて一方的に浮かれてた。



私だけ楽しんでるかと思ってた。



楽しいけど余裕ない。



不安感が溢れてたけど、綾崎くんは不安で押しつぶされて泣いてる私に颯爽な笑顔を振りまくんだ。




綾崎くんってこんなに爽やかな人?



クールで毒舌な人じゃなかった?



『普通に楽しいから』



そんなこと言われたらそんな笑顔魅せられたら…不安感なんて消えちゃう。




綾崎くんはやっぱり心の温かな人なんだ。






「辛い顔して霊とかついてもいいならずっとそうしててもいいけど俺には無関係だし」



そんなバナナ!


綾崎くんは心の温かな人のはず……。




だけど安定の毒舌っぷりで私の心をズタズタのバッキバキにする。




「れ、霊って!!なんか本当に寒気してきた」


「貞子じゃない?あーあ遠足せっかく1泊2日の遠足なのにね。それも行けずに井戸…」



「へ~っ!?1泊2日!?」




「そうだ。お前ら1泊2日の遠足だ」



すると後ろから聞き覚えのある声が。



先生!!



悍ましい形相で私と綾崎くんの間に立つ。



「…くれぐれも男女の関係にはならないように」




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