あなたに恋してる

「そうだよね。まだまだ資格を取ったからって半人前だもんね。精進します」

わざとおどけて敬礼してみた。

真斗は満足したのか口角を上げて満面の笑みで微笑み、わしゃわしゃと私の頭を撫で始める。

素直になれない私は、嬉しさと恥ずかしさを隠すようについつい文句を言ってしまう。

「子供扱いしないでよ」

「…はっ、精神年齢がお子ちゃまなくせに生意気言うな」

「どこがよ…」

「そうやってムキになるところだよ」

きぃー…ムカつく。

「精進しろってオヤジくさ…」

「はっ…オヤジだと」

目尻を上げて睨みをきかしてくる。

やば…

「まあまあ…お前が親みたいに美雨に説教なんてするからだろう」

悠ちゃんが間に入ってくれて私はウンウンと頷く。

「……悠がこいつを甘やかすから調子にのるんだ。俺が代わりに大人として説教してるだけだ」

「あははは…確かに。だけど、お前も美雨には甘いと思うけどね」

「『どこが』だ⁈」

声がはもる。

「あっ…」

「なによ」

お互いに睨み合う。

「あははは…息ぴったりだね」

ムカついてるけど真斗と同じ意見だったことにちょっと嬉しくて…頬が緩んでしまう。
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