あなたに恋してる

ただ、毎日のらりくらりと過ごし、難しい専門用語や知識に悩まされてた私は、マスターの笑顔と暖かみのある雰囲気に癒されたくて週末は必ずここに来ていた。

私の住むマンションの一階にあるカフェ&ダイニングバー【コンフォルト】

そこへ飲みに行くのが唯一の楽しみだった私の隣りに、偶然座った男が悠と連れの真斗だった。

「あれ⁈もしかして美雨⁈」

「⁈…そうだけど」

「俺、ゆう…山城 悠」

5つ歳の離れた幼なじみだった。

「えっ…悠ちゃん。久しぶり…」

「そうだなぁ…何年ぶりかな?」

「……8年ぶりだよ」

「そんなに経つか⁈最後に会ったのはお前が中学だった時以来か⁈」

「そうだね。悠ちゃんが大学に進むために上京してからだから……でも、よく私だってわかったね」

「あぁ…大也とはたまに会ってたから、その度に美雨の成長記録をもらってたんだ」

「なに⁈その成長記録って?」

「それは……これ」

スーツのポケットから取り出したiPhone
そこに保存してあるデータから見せられた数枚の画像。

「……やだ、恥ずかしい。お兄ちゃんたらいつの間に撮ってたの⁈」

中学、高校、短大時代の姿だった。
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