あなたに恋してる
「美雨は、いつまでたっても俺らのかわいい妹だから、離れていても成長を見たかったんだ。歩き出したときからどこへ行くにもついてきて可愛かったよな」
「それって過去形⁈今もかわいい妹でしょう」
「そうだな…」
「そのかわいい妹に隣の人紹介してよ」
「あっ、悪い。つい懐かしくて…こいつ
成宮 真斗。この子は幼なじみの前園 美雨」
悠が交互に自己紹介してくれる。
「初めまして…美雨です」
「どうも…」
悠と話ながら気になっていた端正な顔立ちの男。切れ長の二重にスッとした高い鼻に薄い唇。
かっこいい…真斗の第一印象。
悠ちゃんと真斗と3人で楽しく飲み始めた。と言っても、悠ちゃんと私の話に真斗が頷くか時折口角を上げて笑っていた
だけ…
その笑顔にときめいている自分がいた。
「そういえば、美雨は歯科の専門学校に通っているんだったよな」
「うん…仕方なく通ってる」
「仕方なく⁈」
「歯科衛生士になりたい訳じゃないもん。かといって何かしたい訳じゃないから
とりあえず資格取るために……」
「はぁっ…お前何様だ」
今まで静かだった真斗が低くドスのきいた声で怒っていた。