嗤わない月の下で
ふと、電話の下を見る。

そこには父さんの連絡先が書いてある紙があった。

捨てずに取っておいたやつだ。

電話か・・・何をいまさら、と思った。

すると、いつの間にか起きた佐藤さんが電話の受話器を取る。

「かけた方がいいと思います」

力強く受話器を差し出す。

「私も、手伝いますから」

私の手に手を絡めてくる。

そして、連絡先の電話番号を押した。

トゥルルとなる電子音。

「はい、竹内ですが・・・」
< 119 / 127 >

この作品をシェア

pagetop