Love nest~盲愛~
「服は今井がチョイスしてるのか?」
「え?あ、はい、殆ど」
「フッ……だろうな」
「似合わないですか?」
「いや、似合ってる。似合う服を買ったんだから当然だろ」
「では、どういう……?」
ガウンの結び紐がするりと解け、露わになっているベビードール姿を見下ろす彼。
シルキーな肌触りと上品な刺繍が施され、フェミニンながらも大人のセクシーさも出せるナイティードレス。
『violette』のキャストの先輩方が身に着けているような布地が極端に少ないような仕様のものは一つも無いから、辛うじて着ることが出来るけれど。
男性は皆、こういうテイストが好きなのだろうか?
「哲平さんもこういう服を着た女性が好きですか?」
「どういう意味だ」
「色っぽいと言うか、セクシーな姿の人が好きなのかな?って」
「着てるのが好きと言うより……」
彼が覆いかぶさるような状態で耳元に顔を寄せた。
「着てる所を見て楽しんだ後に、脱がせるのが一興だろ」
「っ……」
「だから、えなのこの姿はもう見たから……」
「ッ?!……っ……」
ベビードールの裾あたりに手を乗せた彼は、楽しそうにしながら指をゆっくりと絹地の中へと滑り込ませ、少しずつ肌を撫でるように上昇しながら……。
耳元に寄せた口元から甘い吐息を溢しながら、耳を甘噛みし、そしてゆっくりと首筋へと降下してゆく。
肌を撫でる左手、赤い薔薇を散らす首筋、絡め取られシーツに張り付けられる右手。
そのどれもに神経を研ぎ澄ますのはもはや無理がある。