Love nest~盲愛~
「まだ、かかりますか?」
「ん、もう少し」
既にパジャマ姿の所を見ると、お風呂は済ませてあるようだ。
スマホを立ち上げ、メモ機能を使って彼に話し掛ける。
『この部屋は盗聴されたりしてないですか?』
ここがされているなら灯台下暗し状態だ。
彼との会話も全て筒抜けになってるのだから。
心配そうに見つめる私の髪を優しく撫でながら、彼が口を開いた。
「こことえなの部屋は大丈夫。今井に調べさせたから」
「よかったぁ」
「不安にさせてすまない」
「哲平さんが謝る事では無いですよ。私なら大丈夫です。チェイサーを作りますね」
いつもながらにブランデーだけ飲んでるようで、口直しを作って彼の右前方に置くと。
彼の骨ばった指先が、私の顎を捉え、彼の方に顔が向く。
「今日はどうした」
「分かりますか?」
「俺を誰だと思ってる」
「ウフフッ、少しは色気が出てます?」
「フッ、まだまだだ」
「えっんッ……っ………」
反論する言葉さえも言わせて貰えない。
不敵に微笑んだ彼によって唇が塞がった。
絡まる舌先からブランデーの味が伝わって来る。
芳醇な香りと共に彼の少し高い体温も伝わって来て。
何度もしていて分かってる筈なのに、彼のキスに溺れて息継ぎする間を探すことさえ難しくて。
気付くと体が宙に浮いていた。
彼のパジャマをぎゅっと握りしめながら…。
「お仕事はいいのですか?」
「煽っておいて、今更言うな」
「ごめんなっンッ……」
謝ることも言い訳すらも言わせて貰えない。
ベッドに張り付けられ、彼のキスが降り注ぐ。