Love nest~盲愛~
レストランを後にした私達は、ホテルの前の大通りを肩を並べて歩いている。
一体どこに向っているのか。
これから何をしようとしているのか。
彼の胸中を推し量るには、到底無理がある。
ストライドの大きい彼に合わせ、早歩きをしていると。
「えな」
「っ?!………はいっ」
急に足を止めた彼が、骨ばった指先を差し出して来た。
勿論それは、彼の手を掴めと言わんばかりの雰囲気を纏って。
すれ違う人の視線を感じながら、遠慮気味に彼の手のひらに指先を乗せると。
満足そうな笑みを浮かべながら、グイッと私を引き寄せた。
「俺から離れるな。フラフラどこかへ行きそうで、落ち着かない」
「…………ご、ごめんなさいっ……気を付けます」
彼の胸元に到着した私は彼の鼓動を感じながら、平静を装うので必死だった。
沢山の人が行き交う市街地の大通り。
ビジネスマンだけでなく、ショッピングを楽しむ女性も多い。
お昼休みなのか、事務服姿のOLも多く見受けられる中。
甘いバリトンボイスが耳元を侵す。
更には、俳優と間違えそうなほど整った容姿の彼に抱き留められては、取り乱すのも想定内。
私の意思とは関係なく、ビクッと身体が反応を示す。
ドラマや映画のワンシーンにあるような……。
行き交う人々の視線を気にせず、2人の世界を作り出す彼。
そんな甘い雰囲気を纏い、彼は更に我が道を進む。
「俺に触れられる事に慣れろ」
「っ………」