Love nest~盲愛~
私の身体を更にきつく抱き締めた彼。
けれど、甘い雰囲気は気のせいだったのかもしれない。
だって、今私は………息苦しいほどに首が絞まっている。
「っ………!」
次第に浅くなる息遣いも気にする事無く、彼は私の首元を覆うストールに手を掛けて……。
目の前がどんよりと微睡み始めると、
「俺の存在を消すような真似はするな。一生消えない痕を残すべきだったな」
「ッ?!!」
意識が朦朧とし始めていたが、一瞬でその意識を引き寄せた。
だって、何ッ?!
一生消えない痕ですって?!
それって、一体どういう痕の事よっ!!
彼の言動があまりに怖くて、身を委ねる事すら危うい。
しっかりと自分を保っていないと、大事な命でさえ彼の想いのままになってしまう。
私は震え出す指先を首元へ這わせて、問題の元凶であるストールを外そうとすると。
そんな私の指先をガシッと掴み、キュッと口角を上げ不敵に微笑んだ。
「俺が取ってやる」
「っ…………」
威圧されながらも、彼に従うしか術がない。
じっと息を殺して、彼の一挙手を見届けていると。
するりとストールを取り、それを路肩に植えられている樹木へとはらりと放った。
如何にも、こんな安物は要らないと言わんばかりに。
本来ならば憤慨して言い返す所だけど、今の私にはそれが出来ない。
ううん、それすらさせて貰える雰囲気だなんて、ここには微塵もない。
「行くぞ」
「…………はい」
満足げに私の腰に手を回して歩き出した彼に、私は成すがままに……。