Love nest~盲愛~


「やっぱり、白が似合うな」


甘いバリトンボイスがリフレインする。

白が似合う?

私が??

今まで自分に似合う色だなんて、考えた事もなかった。

この人の目には、そう映っているのね。


そう言えば、この部屋も白を基調としているし、彼が買ってくれた服も白地のものが多かった。

彼は清楚な感じの女性が好きなのかもしれない。

彼の心の一端に触れられた気がした、次の瞬間。


「フッ、俺好みには………ほど遠いな」

「っ……」


開かれたガウンの襟元から、スッと手を腰に回した彼が発した一言。

彼の指先が腰骨をなぞるように行き来している。

彼は、痩せてる女性は好きじゃないらしい。

という事は、私には魅力が足りないって事……よね?

それって、私は………抱けないって………事?


静まり返る室内に緊張が走る。

抱く気がしないとは言われてない。

けれど、明らかに彼の欲情を削ぐには十分な状況で。

私は……一体、どうしたらいいの?



私に彼を誘惑するような術は持ち合わせてない。

男女の駆け引きなど、私にはハードルが高すぎる。

そもそも、恋だってした事ないのに……。

そんな私に男心が分るはずない。


私の左胸は、先程とは違う警笛を鳴らし始めた。

気に入って貰わないとならないのに、このままでは愛想をつかされるのでは……と。


すると、無言のまま彼の気配が遠のいた。

それは、彼が私から離れ、ベッドから下りた事を意味していた。


私はいてもたってもいられず………。


< 74 / 222 >

この作品をシェア

pagetop