[短編]初恋を終わらせる日。
どうしてここまで言ってるのに、本当のことを言ってくれないの。
あるはずの無い、逃げ道を探すの。
この嘘が私を傷付けない為だっていうのなら、そんな嘘欲しく無い。
だって、悲しすぎる。
残酷すぎるよ。
あまりにも私、惨めじゃない。
「本当のこと言えば楽になるのに、何を躊躇うの」
「僕はーー」
「私、本当お姉ちゃんにそっくりだもんね。だから、側にいるんでしょ?」
そう聞けば、優也くんは俯いてしまった。
YESともNOとも言わないのが、優柔不断でどこか頼りない優也くんらしい。
それは君の優しさからきているものだと思ってたし、好きなところだったのに、今は私は苛立たせる原因でしかない。
「……私が異性として好きだった瞬間なんて一秒もないことくらい、気付いてた」
それでも良かったんだ。
それだけ好きだったし、今でも好き。
好きは大きくなるばかりで、もうね、受け止めてもらえないこの気持ちは一人じゃ抱えきれないの。