[短編]初恋を終わらせる日。
私は優也くんが好き。
優也くんはお姉ちゃんが好き。
だけど、いつだってお姉ちゃんは優也くんじゃない人が好きで。
決して交じり合わない一方通行な想いに苦しんで、優也くんは私の元へ逃げた。
そして私はそんな君から目を逸らして、受け入れた。
お姉ちゃんの代わりなことは、分かってた。
それでも、良かった。
私が拒んで、君が他の誰かに代わりを求めるなんて耐えられなかった。
例え君がその人を愛さないとしても、誰かのものになるなんて耐えられなかった。
君になら、傷付けられても耐えられる。
本気でそう思ってた。
……けどね、やっぱり苦しいよ。
辛いよ。
私を見て、なんて思っちゃうよ。
「……さっちゃんはさ、ずっとそんな風に思ってたの?」
思ってたとか、思ってなかったとか、そんなの関係ないじゃん。
だって実際そうでしょ?
……違うなら、第一声で否定するじゃん。