yellow ribbon


忘れはしない。
約1ヶ月前のあの日のことを。

新しい制服に身を包んで、友達は出来るかな。どんな感じなんだろう。そんなことを考えてドキドキしていた。


門をくぐって校舎の中に入るとすぐに人だかりが出来ていた。
クラス発表の紙が貼り出されていたからだ。


私はどのクラスかな。
えっと…中野芽李…中野芽李…なかの。

そう、目で自分の名を探している時。
自分よりも早く見つけてしまった。

ーーー小枝夏樹

さえだなつき…小枝夏樹…さえだ、なつき?

は、はは。まさか。

現実逃避。

したかった。

別人だと思いたかった。


だけどまたしても見てしまった。
人だかりから抜けて教室に向かおうとする小枝夏樹の横顔を。


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