君と想い出をもう一度
◇゜。◆.・◇゜。◆


「何者だ、お前は…」

サッとミュウを背に隠し、ラルムが鋭く威嚇する。


柔らかいはずのラルムの声が低く変わった。


黒い男はニヤリと笑う。

クリーム色の髪だけが後ろで結ばれている。


「俺は十六夜(Izayoi)。 あんたらは生きて帰さねぇよ」


「朱雀家か」


多民族国家だ、この国は。

だとすれば聞き慣れないこの名は朱雀家か、はたまた──。


「分かってんじゃん?じゃあ用件も分かるはずだね」

にこりと笑う十六夜。

闘いを挑んでいるとは思えない余裕だ。


「分かるはずが無いな。俺はあんたと面識なんざねぇし、朱雀家に喧嘩売ったつもりもねぇ」


「ふふ、確かーに喧嘩は売られてないけどねぇ。けど御告げがあったんだよねー」

「あ?どちら様のお言葉だよそれは」

苛立ったラルムの声色に、同じく十六夜も苛立ったようだ。

一瞬、苛立ちの色が顔によぎった。


「あーんま滅多なこと言わない方がいいと思うけど?姫の言うことは絶対だから」


姫…?

ミュウも訝しげに目を細めた。


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