君と想い出をもう一度
眠っているようだ。


「あ、れ……私、今何を…」

ミュウでさえ状況を把握できていないようで、目を丸くした。



が、ただ一人、笑っている者。


「ふーん…じゃあ君がジーヴルの姫君かぁ?」


笑っているのに笑っていない、恐ろしい笑みを浮かべながら十六夜が言う。


深紅の瞳がキラリと光った。

「今日は場所も場所だし邪魔が入ったから帰るけど───姫に報告しとかなきゃね」


朱雀家の姫だと…?


ラルムは眉間に皺を寄せた。


「全ては、朧月夜のために」






謎の言葉を呟いてから、十六夜は煙とともに消えた。

「消えっ…?」

「妖術だ、朱雀家のな。あれは相当の能力者だ。純系だし」


ミュウはため息混じりのラルムが気になって仕方がなかった。
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